ダウン症の中学生Sちゃんがアートで表現を楽しむ時間。
お宅に伺ってのプライベートレッスン。
1か月ぶりのアートの時間。
すごくうれしそうに筆を走らせる。くすくす笑いながら。
手を止めて、筆の柄で遊んだり、体を揺らしたり。
そしてまた、迷いなく色を選んで、筆を走らせる。
心地よさそうに。楽し気に。
観ている私もうれしくなります。
絵の具を置く順番が違うだけで、作品が変わってくるから
なるべく私の意図が入らないように、何も考えずに、を心がける。
準備の時、赤を出そうとして、間違って朱色を出してしまった。
そこからが必然な気がして、そのまま置いておく。
そして、使うのはその色。
「ほかの色も使ってみる?」という私の(余計な💦)投げかけは
きっぱりと断り、しばらくは、ひたすら朱色だけで描いていた。
が、突然いろいろな色を使い始める。
どこにスイッチがあるの?何がきっかけ????
そんなことは関係なく
全部自分の感覚で決めて、好きなようにやるね。
でも、見守っていてくれる人がいるかいないかは違う。
出来上がった作品はこちら。
写真ではあまり見えないけど
光沢のある紙に、絵の具がはじいたり
金やパールホワイトがにじんだりシミになったりしている。
紙のシワもきっと必然。
乾くのが待ち遠しい。
お母さんいわく
「この子の作品を見ていると癒されるのは、何か形あるものを描いている訳じゃないから、脳が休まるのかもしれない。
脳は、描いてあるものを、知っている物事に結び付けて、勝手に意味付けをしようとしてしまうから疲れる。
彼女の作品は何も考えずに眺めていられる。」と。
Sちゃんが描く姿を見続けてきたお母さんは、
深くいろいろなことを感じています。
観る側も、自由に感じることができる。
私には、Sちゃんがここにいる証(あかし)のように感じました。
子どもや大人、高齢者。
障がいの有るナシに関わらず、自分の感覚とつながって表現できる人たちを
傍で見ていると、自分の中の何かを揺さぶられます。
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