こんにちは。アートあそびラボの苅部洋子(かるべようこ)です。
梅雨の合間に、江の島まで、サザエの貝殻を拾いに行って
洗って干して
ワクワクしながら、保育園のみなさんの前に置きました✨
わらわらと集まってきて、あちらこちらから手が出てくる。
耳に当てたりして、大人気!
それと、手触りが良くて、接着力のある軽量粘土を出しました。
ただ「粘土で貝と貝がくっつくよ。」と、やって見せたけど
聞いていたか、はわかりません。
出来上がり見本はなく、やり方の指導も特にありません。
素材をただ置いただけで、探求が始まり、彼らは何かを創り始めます。
貝を全部包んでみたり
貝の中に粘土を詰めてみたり。
いろいろな事を思いつき、試していきます。
絵の具も置いてみました。
特に使い方や説明もありません。
色と色を自由に混ぜて、「こんな色になった――!」
貝に塗ったり、手に塗ったり。
粘土板代わりの牛乳パックにも、描きます。
貝や粘土ではなく、
絵の具がはじくのを、何度も繰り返す人もいます。
子ども達は、本当に創造的!
そしてほとんどの人が、自分の造るものに集中しています。
手元に生まれる形と、対話している眼差しです。
そして、生まれてくる表現は本当に様々です。
たまたま素材庫にあった、マカロニやお豆。そればかりを使う、とか
粘土に色を混ぜる。伸ばす。お団子にする。何かに見立てる、とか
粘土を水に入れてみる、とか
サザエに、とにかく豆やマカロニを詰める、とか。
置いてあるもので、どんどん何かを創り出します。
形が残らないものもあります。
やるか、やらないかも、
何を使うかも
いつ終わるかも、自分で決めます。
この保育園では、美術で遊ぶ時間の後に、
保育士の先生方と、起きたことを振り返りながら、対話を重ねてきました。
出来上がりのゴールや、やり方の手順、は必要なのか?
「素材をただ置いたらどうなるのだろう?」
「次は何も言わずに、ただ置いてみましょう」
先生方から出てきた言葉です。そうして今の形になってきました。
素材を置くだけで、時々ちょっとした提案をするだけで
子ども達は自分の興味関心に沿って、探求し、遊び
自分の形や色を見つけて、満足していきます。
創造される様々な色や形は、一人ひとりが違って当たり前。
素直に、他人の作品を褒め、自分の作品に誇らしげです。
で、私たち大人は何をしているかというと
「最近は、子どものやりたい!を止めずにいられるように、できる事(安全策等)をして、見守っています」と担任の先生の言葉です。
私も、保育の仕事をするときは
「あなたのやりたい!を叶えるために、全身全霊で、見守らせていただきます」という気持ちでいます。
そして床を拭くとか、片づけを、せっせとやっています。
子どもたちを教え導く、というよりも
子ども達が探求し発見していくのを、じゃましない。
今は、そういう在り方に、たどり着きました。
午後も展示してある自分の作品を、大事そうに見つめ、
微妙な位置を手直ししていました。
自分の創ったものが愛おしい。そんな姿でした。
コメントをお書きください