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絵の具を混ぜ続ける子が見つめているのは?

こんにちは、アートあそびラボの、かるべです。

 

保育園で子ども達と、トロトロ絵の具で遊びました。

「お家にもって帰りたいの。冷蔵庫に入れておくの」

3才のKちゃんが持ってきたのは、グレーにになった絵の具が入った容器。

このなかに、Kちゃんのどんな時間が詰まっているのでしょう。

 

 

始まる前の準備の時から、素材を見つめて、ワクワクと期待が高まっています。

触りたい!これは何なのか知りたい!

そんな、前のめりの思いが伝わってきます。

トロトロした絵の具を、黒い紙に垂らしたりしてみる事を提案してみました。

早速、さっき見つめていたラメを絵の具に混ぜています。

違う色の絵の具を混ぜてみます。

色はどんどん濁色になっていきます。

隣の子がどんなにダイナミックな事をしていても、気にしません。

一心に一つのカップを見つめています。

どうやら最初に、紙に絵の具を垂らしてみた痕跡が残っています。

しかし、もうこの時点で、Kちゃんにとって黒い紙は目に入っていません。

「紙に垂らしてみたら?」ちょっと投げかけてみましたが

興味なし。

カップの中を見つめ続けます。

カップの中身を手に付け始めました。

感触?温度?匂い?何を感じているのでしょう。

じっと手と絵の具を見つめています。

手を洗いに行って、戻ってきてから

キラキララメの糸をカップに入れています。

そうやってできたのがこちらです。

Kちゃんはこの時間ずっと、このカップの中で起きる事で遊んでいました。

Kちゃんの心をとらえたのは、描くこと、作品を残す事、きれいな色を作る事ではなかったみたいです。

 

色の変化を見つめ、感触を味わい、いろいろな事を探求した時間が

この小さなカップの中に詰まっているのでしょう。

 

出来たものを、きれいとか上手とかで評価することはできません。

そんな事よりも、Kちゃんにとって、もっと大事な価値がこの中には詰まっているのだと思います。

 

「わあ!」でもなく「みてみて!」でもなく

一言も発せずに、カップの中を見つめ続けるKちゃん。

大人に比べて、まだ語彙力が少ないですが、ずっとカップの中で起きる事と対話をし続けたのでしょう。

 

そう思うと、この色がとても豊かな色に見えてきます✨