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<絵の本>遊びながら自分を表現していく子ども達

こんにちは、アートあそびラボの苅部(かるべ)です。

 

保育園などでの表現活動。

いったい何が表現で、どうやって引き出せばいいのかわかりませんよね~。

何かを描かせる、表現させるという事を手放して、遊んでみると、自然とその子の世界が表現されていました。

 

その日は保育園の年長さんと「絵の本」を作りました。

まずは絵の具で描いたり、切り抜きを貼ったり、やりたい事をやって「遊ぶ」ことを提案しました。

用意したのは、絵の具ともんじゃベラ、歯ブラシ、スポンジ。

さて、この道具と絵の具でどんなことができるかな?

 

子ども達は自分の興味ある事から始めます。

絵の具とヘラで描く、塗る、こする。

割りばしでひっかく、描く、転がす。

スポンジでスタンピングする、落としてみる、こする。

好きな切り抜きを集めて貼り重ねる、

指で何かの場面を描く、紙をいろいろな方向から折って色面をつくる、くるくる丸めてみる。

目の前の道具で様々な事を試みています。

誰の指示に従うでもなく、迷いなく自分のやりたい事に没頭していきます。

その姿は、真剣です。

2,3枚作って終わりにする子もいます。何十枚と描き続ける子もいます。

絵の具は使わずに、切り貼りだけの子もいます。

 

そして「本にするの楽しみ~」と言ってお昼ご飯に行きました。

午後に製本しました。

表紙にもこだわります。両面開きの本もあります。
どの子も自分で作った本を大事に抱えています。

そばに置いて遊んでいる子もいます。

友人と嬉しそうに見せ合っています。

「夜にママに読んでもらうんだ~」と言って、何度も開いて眺めています。

題名を付ける子がいます。

「〇〇〇(自分の名前)のほん」「とくべつえほん」

開いてみると、その子の世界がぎゅっと詰まっっていて、

題名通りの、その子の本。特別な本。が出来上がっていました。

 

今興味あることを描き続けたもの(水族館の生き物、ゲームの世界、等)

目の前の絵の具の変化を探求し続けたもの、

ほとばしる勢いを感じるもの、惹かれたものを貼り重ねたもの、

実験し、探求し、楽しんだ痕跡。

誰に指示されるでもなく、みんなと同じにする必要もなく、自分の世界に入り込んだ痕跡。

 

同じものが二つと無く、今のその子が表現されています。

 

遊びながら、彼らはまっすぐに、素直に自分を表現していきます。うらやましいくらいに✨

今、この瞬間の自分がぎゅっと詰まった本を、大事に、うれしそうに、誇らしげに胸に抱えていました。

いつか必要な時にこの本を開いて、この時の自分を思い出してくれたらいいなあ、と思います。

 

保育園、幼稚園、子ども園など子どもの育つ場で、アートで遊びながら

自分の世界を探求する時間を作ります。
詳しくはご紹介者様ページをご覧ください。