アートあそびラボの苅部洋子(かるべようこ)です。
保育園、幼稚園等子どもの集まる場所で、子ども達と造形表現をツールに遊ぶ<アートあそび>を通して、彼らの生きる力を培う活動をしています。
「子ども達の主体性を育みたい」「自由な遊びを取り入れたい」「表現活動って言っても、専門知識もないしわからない」「保育雑誌を見て制作するだけで物足りない」と言う保育園様、幼稚園様、お任せください!
正解のないアートは子ども達が自由に遊び、自分を探求し、表現していける最高のツール✨
<アートあそび>とは
自分の興味関心(自分の世界)を探求し「表現」する時間です。
アートも遊びも、子ども達に必要な心の活動。
画材や、廃材、自然物など身近な素材を使って、自由に創り、遊び、探求し、表現する時間です。
上手い絵を描く、素敵な作品を作ることを、目的としていません。
子ども達は目の前の物を探求し、起きることをインプットしながら成長していきます。
大人が正解をあたえてくれるのではなくて、自分で見つけていく。自分のヒラメキを信頼する。
その体験は、自分の人生を作っていく創造力と想像力を、培います。
そして、アートを通して遊ぶことで、自分の痕跡が「表現」として残ります。
子ども達は<アートあそび>が大好き✨
正解がないから否定がない。自分の「やりたい!」を叶えられる。見守りながら一緒に感じてくれる大人がいる。
そんな中で、安心して自分の世界を探求していきます。
<アートあそび>で子ども達がどんな感じかは↓↓↓下の記事を見てね✨
初めての<アートあそび>の後、どのクラスの先生たちも
「もっとハチャメチャになると思っていたが、子ども達はケンカもしないで、穏やかで平和な時間だった」とおっしゃいます。
どうやら皆さん、子ども達を自由にさせたら、走り回ったり、投げたり大変な事になるのかと思っているようです。
でもね、違うんです!
1人1人が好きな事に没頭している時間は、すごく静かで平和なんです。
ケンカやもめ事は、あまり起きません。
素材がごちゃ混ぜになり、絵の具がこぼれ、その場は混とんとしますが
制限されず、指示されず、否定されず、自分のやりたいことに没頭していて、静かで平和。
どのクラスもそうです。
1人1人が喜びで満たされている。そんな所に争いは起きません。
終わった後は満足感で満ち足りている。(終わりも自分で決めますからね)
大人も子どもも、あーー楽しかった💛ってね。
保育園でのアートあそびの時、「できた~」と作品を持ってきた男の子がいました。
私は、新しい素材を提示して「これも付けてみる?」と聞きました。
その子はじっと自分の作品を見つめ「僕はこういう感じがイイと思うんだ」と、きっぱりと自信のある目で言いました。
子どもの中に
自分の感覚を信じる。根拠の要らない自信が育っているのを感じました。
大人の指示通りに作るのではなく、自分のヒラメキを大切にします。
「自分はどうしたいか」が大事。主人公は自分です。
正解はなく、自分の中から湧いてくるものを信頼し、やってみる時間です。
アートあそびの時間、子ども達は
ふざけ合うでもなく、
笑いもせず
一言も発せず
真剣なまなざしで
没頭している時間。
そして、終わった後、清々しい顔で
「あ~今日も楽しかった💛」
と言います。
いったい何が、どうしてそんなに楽しいのだろう。
彼らの中で何が起きているのだろう。
とっても、大事なものが育っているような気がします。
自分が「おもしろい!」と思ったことに「?」を見つけて、試してみる。次はこうしてみよう!と探求が広がっていく。感動や驚きに心が動く。誰かと響き合う。心に深く刻み込まれる体験。自分の世界を探求していく時間。
それは、ワクワクするね✨まさに「自分が自分でいられる」時間。
こんなに自分の世界に没頭できる事が、なくなってきた大人の私は、ちょっとうらやましいのでした(^_^;)
アートあそびの時の子ども達は、他の人が何をしてるか、他の人にどう思われるか、まっ~っっっっったく気にせずに、自分の画面の中に全集中です。
色や線、余白から、自分なりの感じ方で、想像を膨らませ、物語や、見立ての世界を広げます。
そして、自分の感覚で「終わり」を決めて、めちゃくちゃ満足気な顔を見せてくれます。
誰に言われるでもなく
「正解のない中で、自分の感じ方考え方で、自分の答えを見つけていく」
きっと彼らは、もとからそういう力を持っているのです。
そして、自分はどうしたいのか。をちゃんと感じられるって、とっても大事です。
ずっと「ダンゴムシなんだ~」と言いながら筆を動かしている子がいました。
「できた!ダンゴムシ!」ととってもうれしそう✨
それがこちらの写真です。
私には、ダンゴムシが歩いた軌跡か?ダンゴムシがいそうな土か?
と、理屈で理解しようとするから、わからない(^_^;)
彼らの作るものは、名前がなくナニモノでもない。
自分の中から出てきた形。きっと混沌とした中に何かを感じ、見い出しています。
子ども達は、ナニモノか、にとらわれていないから、自由で、創造的です。
大人には見えない、子ども達の世界が、確かにそこにあるのを感じます。
ついつい「これは何?」と聞いてしまいますが、
記号的なナニモノかに当てはめずに、そこにある色や形が生み出すもの(その子の世界)を感じてみると、
「上手ね」という言葉では、言い表しきれない世界が見えてきます。
たとえ理解できなくても、その子の世界を、否定や評価することなく、
ただ感じて受け止め、大切にしていきたいなあ、と思います。
ある日、焚火をしてできた炭やお習字の墨、墨汁を置いて、いろいろ実験たり、描いたり貼ったりしてみよう、と出来上がり見本はなく提案しました。
子ども達は、色紙をジョキジョキ切って造形を始める。墨を割って水に溶かそうとする。等々。既成概念なく、素材を探求し、黒の世界を堪能していきました!
最初に墨を作った人も、炭を砕き、何かと混ぜ合わせてみたのかもしれません。
既成概念なく「どうなるか確かめたい」という好奇心で、とにかくやってみる。そして何かを発見をする。
そんな姿に、新しいモノ、価値を生み出していく根源を見た気がします。
彼らが社会を支える20年後、30年後。きっと新しい価値を生み出し、新しい社会を創造していってくれることでしょう。
■対話
子どもの行動の理由を考え、共感し、寄り添い、その子の育つ方向を共に見つめていくために、保育士の先生と振り返りの対話をいたします。
目の前で起きたことや、子ども達の行動、自分の中に起きた感情をシェアし、
それについて「どうしてだろう」「なんでだろう」と、率直な意見を出し合います。
そして日常の中でスルーしがちな子どもの姿や思い、大人の在り方などを見つけていきます。
<対話の中で出てきた「問い」の例>
・「もったいない」って、何だろう?
・有意義に使っているかいないか、だれが決める?
・ありのままを受け止めるってどういうこと?
・誘導、必要?
・のびのび描くって、大きな紙に描くこと?
・子どもの表現を受けとめるって、どういうこと?
■ドキュメンテーション
対話から見えてきた子どもの姿、気づいた事を
文章と写真のドキュメンテーションにいたします。
それを他の保育者、職員、保護者の方にシェアすることをお勧めしています。
そこに2、3分の立ち話でもいい、また対話が生まれ
「乳児の頃はこういう事をしていたよ」
「家でこんなことを言ってました」
「私だったらこういう気持ち」等々。
保育者、保護者に限らず、給食の先生、看護師の先生、など
その保育園を中心に、子ども達に関わるいろいろな人の、多様な意見が出されて
みんなで、子どもの気持ちを見つけていける、きっかけとなるはずです。
関連ブログ
アートあそびの後、子ども達の姿について「なんか大人と違うよね、なぜだろう?」と振り返りの対話をしました。
後片付けの事なんて考えてない。こぼれないように、やろうなんて考えてない。
大人はこれがストッパーになって、遊びきれない。
子ども達の視野は狭く、感覚は「今」に集中している。
それって、ダメなこと?矯正すべきこと?
その子ども達を、大人に合わせさせようと指導するのではなく、今の子ども達に大人が合わせる。早くできるように、せかす必要なはい。
否定せず、強要せず、責めないで、
大事なことを、ただ淡々と伝え続ける。
叱る、指導するじゃなくて「伝える」
反省や感想を言い合うのではなく
事実を見つめ、自分の思う事を話し、他者の話を聞き、考える。
こういう対話を繰り返すことで、子ども達のありのままの姿を受け入れ、日常の保育に生かすヒントを見つけていきます。
大人も<アートあそび>を体験してみよう✨
保育園、幼稚園の先生、子育て中の方など、子どもの育ちに関わる大人対象に、アートで遊び、子どもの表現や遊びについて、体験し、考える研修も承ります。
まずは、うまい下手を気にせず、自由に色や形で遊ぶ<アートあそび>を体験しましょう。皆さんそれぞれの個性を発揮して開いていけるよう、ナビゲイトしますからご安心を😊
動画や画像で子ども達の<アートあそび>での様子を見たり、表現の見つけ方、受け止め方、見守り方などもお話しします。
「子どもの表現とは」「主体性とは」「自由とは」などについて、対話しながら、子どもの育ちに何が大切かを見つけていきます。
・2018年 MIWAあかね台光の子保育園さま 先生研修
・2018年 どみそ保育園さま 先生研修
・2019年 MIWAあかね台光の子保育園さま 先生研修、親子で美術あそび
・2019年 ワークショップ「造形を通して子どもの姿を観てみよう」
・2021年 MIWAあかね台光の子保育園さま 先生研修
・2023年 蒲田本町保育園さま 先生研修 親子アートあそび
・2024年 MIWAあかね台光の子保育園さま 先生研修
・2024年 MIWAシンフォニア保育園様 親子アートあそび
【先生方の感想】
・「創ることが”目的”ではなく、自由に進めていける(ゴールがない)という事が、大人でもワクワクしたので
子ども達にとってもすごく意味のある時間だなと感じました」
・「感じるのは、おもしろいや楽しいという感情です。色の混ざりがキレイとかもありますが、水浸しでも破れてもいい事が楽しいです」
・「自分と向き合い、その様子をただ見守られたり、他の先生を見学したり、ありのままの”その人”を感じられるひと時でした」
・「”表現する”という大きなくくりは、保育でも出来るような気がするし、必要だと思う。」
・「絵を描いたり物を作ったりすることだけが美術ではなないんだなと思いました」